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<2018年の活動実績>

 新年会  

 2018年1月13日、静岡市伝馬町のマイホテル竜宮において恒例の新年会が開かれ、兵庫県、三重県、東京都などの遠方を含め33名の会員が参加され、いつも通りの虫談義に花を咲かせました。終了後も二次会でさらに盛り上がったようです。  当日はこれに先立ち幹事会が開かれ、2018年の事業予定などが話し合われました。今年は2、3の行事の変更など検討されています。また総会で報告いたします。総会は2月4日(日)、ふじのくに地球環境史ミュージアムで開かれますのでご出席ください。


 総 会  

2018年2月4日(日)、ふじのくに地球環境史ミュージアムで24名の会員の出席のもと、総会が開かれました。概要は以下のとおりです。

議題1 2017年度事業報告
 ・「駿河の昆虫」257〜260号の発行。計106ページ。
 ・「ちゃっきりむし」191 〜194号の発行。
 ・『60年記念誌』の発行。

 ・会合(参加人数):幹事会(14名)、新年会(32名)、総会(20名)、談話会(23名)の実施。


 ・調査・観察会(参加人数):清水黒川観察会(約50名)、三ヶ日町雨生湿地ヒメヒカゲの観察とマーキング(14名)、昆虫合宿 梅ケ島 悪天候で中止、ミヤマシジミ保全 悪天候で中止、アサギマダラ調査菊川市 悪天候で中止。


 ・その他:「静岡のチョウ世界のチョウ」(ミュージアへの協力)、日本蝶類学会夏のフォーラムin静岡の共催、「本物の昆虫標本を作ろう」(静岡伊勢丹に協力)、ホームページの維持、標本資料整理事業に協力


 ・会員数264名(2018年1月1日現在、県内175名、県外89名、内学生5名)


議題2 2017年度収支決算 (略)


議題3 2018年度事業計画


 ・「駿河の昆虫」 261号:2月下旬発行予定(編集:鈴木英文)。262号:5月中旬発行予定(編集:平井剛夫)。263号:9月中旬発行予定(編集:白井和伸)、264号:12月上旬発行予定(編集:池谷正)。「ちゃっきりむし」195〜198号(編集:清邦彦)。原稿は事務局宛てにお送りいただくかE-mail(pu-suruga(@)shizukon.sakura.ne.jp)宛に投稿して下さい。

○行事予定

 ・会合:幹事会、新年会、総会、談話会

 ・調査・観察会:「高山・市民の森」昆虫観察会、三ヶ日雨生湿原 ヒメヒカゲマーキングと保全活動、夏合宿-朝霧高原(猪之頭)(日本鱗翅学会東海支部と共催)、アカボシゴマダラ分布拡大調査、アサギマダラ マーキング会(菊川市友田)

・ホームページの維持

・NPO自然博ネット標本資料整理事業に協力。

・静昆創立65周年記念「昆虫目録」の発行


議題4 2018年度収支予算 (略)



議題5 会則の改正



自己紹介と近況報告の後話題提供がありました


 話題提供 次の3件のお話しがありました。

@ 「ヒアリは日本に定着するか」・・・・・・・岸本年郎

A 「アカボシゴマダラが大井川を越える」・・・高橋真弓

B 「日本とロシアのオオルリボシヤンマ」・・・福井順次

二次会
  総会終了後、静岡駅前の居酒屋で懇親会が開かれ、11名が参加して大いに盛り上がりました。



 高山市民の森昆虫観察会

2018年5月20日(日)、静岡市の高山・市民の森で昆虫観察会を行いました。NPO自然史博ネット、静岡大学昆虫同好会を含め30余名の参加者がありました。開会時は曇っていて気温も低かったのですが、昼近くなって日が差してきて昆虫も飛び始めました。アサギマダラ、クロスジギンヤンマ、オオセンチコガネ、ツチハンミョウなどの昆虫のほか、2頭のカモシカ、モリアオガエルの卵泡と成体、イモリ、ヤマカガシ、イカル、サルの糞など、生物を広く観察しました。(報告 清邦彦)


昆虫観察会-1


昆虫観察会-2


観察会に現れたカモシカ


 ヒメヒカゲのマーキングと保全活動観察会

 6月9日、浜松市北区(旧三ヶ日町)の雨生湿地で実施しました。前夜の雨が上がったのは良かったのですが、浜松では真夏日となり、強い日差しが加わって暑い一日となりました。会員7人、県自然保護課職員2人に加え天竜森林管理局から6人が参加しました。
 9時半に三ヶ日協働センター駐車場に集合、諏訪会長のあいさつ、参加者全員の自己紹介の後、乗用車に分乗して現地に向かいました。
 今年は寒い冬の影響でヒメヒカゲの発生が遅れるのではないかと予想して少し遅めの日を設定したのですが、春以降むしろ高温で季節の進行が早まり、ヒメヒカゲの発生も早まりました。1時間ほどで51♂28♀にマーキングできました。昨年は35♂8♀、発生が遅れ気味だったためこれから数を増やすと思われ、メスの比率が低かったのですが、今回、オスは飛び古した個体が多く、すでに盛期を過ぎて減り始めているように感じました。
 昼食をはさんで植生調査と発生環境保全のためツルヨシやネザサの草刈りを行いました。昨年20m四方×四区画の調査範囲を設定しましたが、区画のロープが朽ちたりして失われていたため、調査区域の復元に時間がかかりました。昨年は各区画の中に2m四方の小区画を4ヶ所設け、植生被覆率や生えている植物を記録しました。復元作業と並行して、今回も植生等を記録しました。草刈りの効果を比較するため、調査区の2ヶ所は草刈りを実施し、2ヶ所はそのままにしましたが、植生等に昨年とは目立った変化はありませんでした。
 植生等の調査後、今回も2ヶ所は草刈りを実施し、2ヶ所はそのままにして推移を観察することにしました。
               (報告 白井和伸)


調査前の打ち合わせ


ヒメヒカゲ


植生の調査

 朝霧高原で昆虫合宿が行われました

 2018年度、鱗翅学会東海支部との合同の昆虫合宿が8月18日(土)〜19日(日)、富士宮市猪之頭の朝霧ロッジで行われ10名の参加者がありました。18日の夕食のバーベキューでは火災報知器が作動して大騒ぎになったり、部屋では深夜2時近くまで昆虫の話題で盛り上がりました。19日は朝霧高原での蝶の調査や身延町での甲虫類の調査など、それぞれの目的に応じて活動しました。


朝食のひととき

朝霧高原での調査


 談話会

2018年9月2日(日)、ふじのくに地球環境史ミュージアムで談話会が行われ、22名の参加がありました。初めにひとりずつ、自己紹介を兼ねての近況報告を行いました。その後一般見学者にも公開して、国際昆虫生理生態学センターの奥田隆氏による特別講演「ネムリユスリカの驚異の耐乾性」が行われました。アフリカの半乾燥地帯に生息するネムリユスリカの幼虫は含水量3%の状態の無代謝休眠を行い、水をかけると蘇生するという様子を、動画だけでなく実際に休眠状態の幼虫を用意され、水を与えて動き出す様子を観察しました。続けて会員研究発表として、永井彰氏によるインドネシアでのアカメガネトリバネなどを採集した話、松田暘二氏のインド北東部でのブータンシボリアゲハの生態について動画での発表がありました。 終了後、静岡駅前に場所を移して二次会が開かれ十数人が参加しました。


特別講演「ネムリユスリカの驚異の耐乾性」


 アカボシゴマダラ分布拡大調査会

2018年9月16日、島田市家山駅前に10名の会員が集合して、近年静岡県下にも分布を拡大している外来種、アカボシゴマダラの調査会が行われました。大井川中流域の島田市、本川根町の7か所を調査し、5か所で成虫を、1か所で蛹の殻を確認することができました。本種が静岡県西部に分布を拡大しつつあること、しかしまだ県中東部ほど生息密度は高くないことがわかりました。ゴマダラチョウの幼虫、クロコノマの幼虫、ツマグロキチョウ、ミヤマカラスアゲハ、タイリクウチワヤンマ、チョウトンボ、オオヤマトンボ、オオセンチコガネ、タカのサシバなどのほか、県下から希少となったオオチャバネセセリや南方からの飛来種クロマダラソテツシジミが見つかるなどの成果もありました。朝は雲が垂れこめていましたがしだいに日が差してきて、蒸気機関車の汽笛を聞きながらの実り多い調査会となりました。



 アサギマダラマーキング会 

10月21日、菊川市友田(ちょっちょの道の駅)にてアサギマダラ観察会・標識調査会を開催した。会場は地元の方が個人で栽培しているフジバカマ園であり、同好会との共催として観察会を開いている。今回は、地元の家族連れを含めて県西部の会員など約30人が参加した。午前10時から挨拶に続いて、アサギマダラの生態についての解説と、静岡昆虫同好会や全国の愛好者が行っている標識調査の状況の説明を行った。続いて用意した捕虫網を使ってみんなで採集をし、「キク川」「10/21」「イニシャルとNo」を記入して放した。ほとんどの参加者がマーキング(標識)を体験して12時前に散会した。

 今年は台風の塩害などでフジバカマの開花が思わしくないため、チョウの個体数は少なかったが、前日までに用意した個体も含めて約30頭のマーキング(標識)ができた。当地での観察会は4年目になるが、市内の近隣にあるフジバカマ園も含めて観察会の前後にも調査を続けている。毎年東北・北関東や長野県でマーキングされた個体が再捕獲されており、今年も長野県から移動したと思われる個体が見つかった。