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<2014年の活動実績>

 新年会  久しぶりの盛況

1月18日、恒例の新年会が静岡市伝馬町の「マイホテル竜宮」で開催されました。今年は県外から8人の参加があり、総勢30人と盛況でした。会長の挨拶の後、県外参加者の自己紹介をしていただき、高橋幹事の乾杯で宴が始まりました。今回は初めての試みとして、全員に名札をつけてもらいました。皆さん名前を覚えながら盛り上がり、終了後は2次会も行なわれました。


北條会長の挨拶

高橋幹事による乾杯

歓談風景



 総 会  

2014年2月9日、東部生涯学習センターで22名の会員の出席のもと、総会が開かれました。概要はつぎのとおりです。

1 2013年度事業報告
 ・「駿河の昆虫」241,242,243,244号の発行。計104ページ。
 ・「ちゃっきりむし」175 〜178号の発行。
 ・「ゴシュケビッチ」3号の発行。

 ・会合(参加人数):幹事会(11)、新年会(29)、総会(24)、談話会(24)の実施。


 ・調査・観察会(参加人数):清水黒川観察会(50)、三ヶ日町雨生湿地ヒメヒカゲの観察とマーキング(16)、昆虫合宿 白樺荘(13)、ミヤマシジミ保全(雨天のため中止)、アサギマダラ調査菊川市(50)、ゲニタリア勉強会 東海大学(8)の実施。


 ・その他:ホームページの管理、標本資料整理事業に協力


 ・会員数273名。


 ・2013年度収支決算 (略)


2 2014年度事業計画


 ・「駿河の昆虫」 245号:2月末日発行予定(編集:鈴木英文)。246号:5月末日発行予定(編集:平井剛男)。247号:9月末日発行予定(編集:白井和伸)、248号:11月末日発行予定(編集:池谷正)。「ちゃっきりむし」179〜182号(編集:清邦彦)。原稿は事務局または直接編集担当者宛てにお送りください。
E-mail(pu-suruga@shizukon.sakura.ne.jp)での電子投稿も受け付けています。

○行事予定

 ・会合:幹事会、新年会、総会、談話会

 ・調査・観察会:枯山ギフチョウ観察会(NPO自然博ネットと共催)、清水黒川(NPO自然博ネットと共催)、三ヶ日雨生湿原 ヒメヒカゲ観察とマーキング保護(浜松市三ヶ日町)、静岡市梅ケ島(日本鱗翅学会東海支部と共催)、ミヤマシジミ・アドプト観察会と保全(市主催)、アサギマダラ マーキング会(菊川市潮海寺)

・標本資料整理事業
 静岡南高校を改修し、2015年7月頃オープンする予定の「ふじのくに地球環境史ミュージアム(仮)」に向けて標本の保存事業などを行なっているNPO法人自然史博ネットに協力して標本の移転作業整理を行ないます。

・60周年記念文集

・2014年度収支予算 (略)


総会風景


3 話題提供 休憩後、次の二件のお話しがありました。

@ 永井彰 「インドネシア スラウェシの蝶
           ー裏側を見て種名がわかりますかー」
  ウォレスはスラウェシが特異な生物相を持つことをヒントにダーウィンと同じ時期に自然選択説を唱えた。その歴史的経緯を解説し、スラウェシの特異な生物相を蝶の固有種が多いこと、固有種が他地域の近縁種とどう違うかということで示した。また、蝶が翅を閉じてとまっている時、その蝶を採集するかどうかの判断として、蝶の裏面から種類がわかるか、スラウェシの蝶の写真で解説。


A 杉本武、平井剛夫 「トンボの展示用標本の新しい作成法」
  トンボの乾燥標本が実際の色とかなり異なることに疑問を持った演者が、全く新しい方法で生きている時のままの鮮やかな標本を作成する方法を開発。画期的な方法か。詳細は60周年記念誌で。


二次会
  総会終了後、静岡駅前の居酒屋に場所を移し、話の続きをしました。参加者名簿に記入しなかった人がいて、10人の部屋に14人が入ってすし詰め状態。でも、話は盛り上がりました。

 枯山ギフチョウ観察会

 4月6日(日)、浜松市天竜区のカレ山で、NPO法人静岡県自然史博物館ネットワーク(以下「自然博ネット」)と共催のギフチョウ観察会を行いました。両方の会員になっている人も多く、合計21人が参加しました。
 しばらく暖かい日が続いていたのですが、前日から冬型の気圧配置に代わり、未明には強風と雨になりました。幸い明け方までに雨は上がりましたが、気温が低いままで、強い風も治まらない生憎の天候となりました。
 集合場所のくんま水車の里から車に乗り合わせ、遊歩道入口まで移動し、早速歩き始めました。登り口のカタクリはちょうど見頃でした。
 立派な花をつけたシキミなどを観察したり、クロモジとシロモジの区別点を教わったり、蛇紋岩の剥離面の模様の説明があったり、自然博ネットからは、植物、地質その他いろいろな分野に造詣が深い方々が参加されたので、たくさん教わることができました。
 肝心のギフチョウですが、雲が流れて日が照ったり陰ったりしてなかなか気温が上がらないため、午前中は数頭確認できただけでした。昼食をとる頃ようやく気温が上がり、見かける数が増えました。とは言うものの多い人でも10頭までは見られませんでした。それ以外は、ルリタテハとヒオドシチョウを1頭ずつ見たくらいで、アゲハやミヤマセセリなど例年なら観察できる種類が見られませんでした。
 本会会員ではAさんが山梨県から遠路参加され、熱意が通じたのかまずまず観察できたようです。写真をお借りしました。ありがとうございます。 (報告 白井和伸)



 黒川昆虫観察会

 5月11日、さわやかな好天のもと、興津川上流にある「やすらぎの森」で昆虫観察会が行われました。多くの家族連れに加えて今年は静岡大学の昆虫同好会の参加もあり、60人ほどの参加者がありました。例年通りジャコウアゲハ、オナガアゲハ、カラスアゲハといった黒いアゲハチョウが多く、子供たちも夢中で追いかけていました。他にアオバセセリ、トラフシジミなども見られました。NPO自然史博ネットとの共催のため昆虫以外の指導者の参加者もあり、この時期見られる植物についての勉強会も行われました。(報告 清邦彦)






 ヒメヒカゲ観察会

 2014年6月7日、浜松市北区三ヶ日町の雨生山湿地で行われました。県自然保護課から2名、会員7名が参加しました。集合場所の三ヶ日協働センターでは雨が降っていましたが、車に乗り合わせて現地に到着した頃にはほとんどやみ、調査とマーキングを実施しました。そのうちに雨が上がり、合計20♂5♀+10頭にマーキングしました。曇天で活動が鈍くて写真撮影はしやすかったようです。 ヒメヒカゲ以外には、キタキチョウ、ヒメウラナミジャノメ、オオチャバネセセリ等が確認されました。三ヶ日協働センターには正午前に戻り、解散しました。(報告 白井和伸)





 昆虫合宿

2014年8月23日(土)〜24(日)日本鱗翅学会東海支部との合同合宿が静岡市安倍川上流の旧梅ヶ島村大野木荘で行われ、愛知県、横浜市、それに今回は沖縄からの参加者も加わって計15名の参加者がありました。 不安定な天候のこの夏らしく、1日目は雷も鳴る大雨の中を集合、それでも夜には上がり、ライトトラップにはミヤマクワガタなどの甲虫、ミヤケカレハといった亜高山性の蛾も集まりました。夕食にはヤマメの刺身と塩焼き、それにしし鍋をいただき、露天風呂も楽しみました。この日の話題は新しく発売されたデジカメのことや県立ミュージアムに収蔵する標本のことが中心でした。翌日は、南アルプスの奥に蛾の調査に入ったり、周囲の山地にダルマガムシやハネカクシを探しに行ったり、クロコムラサキなど河川敷の蝶を探しながら安倍川を下ったり、それぞれの目的に応じて活動しました。


山の幸での宴会風景

ライトトラップ


 談話会

 9月7日(日)に談話会が行われました。ひとまず、いつもの東部生涯学習センターで開会挨拶と近況報告が行われました。今回の参加者は28人で、いつものように巻きが入りながらほぼ予定の時間に近況報告は終了しました。そこから車に分乗し、静岡市駿河区大谷にある開館前の「ふじのくに地球環境史ミュージアム」へ見学に行きました。昆虫担当学芸員の岸本年郎さんの案内で文献スペースや標本室などを見学しました。標本室は2部屋で、鱗翅目とその他の昆虫の部屋にわかれ、部屋には特注の標本棚が整然と並んでいました。まだまだスペースはたくさんありましたが、参加者はそこにある標本に見入っていました。夜は静岡駅近くで16人が参加して二次会が行われ、5時前から9時まで延々と虫談義が続きました。


ミュージアム中庭駐車場

岸本さんの研究室と文献

標本室

所蔵標本に見入る参加者

楽しい二次会

目別所蔵標本箱数リスト


 ミヤマシジミの環境保全活動

9月15日(祝)静岡市葵区・安倍川でミヤマシジミの観察会が行われました。9名の会員が「真富士の里」に集合し、3台に分乗してその周辺及び上流3ケ所を調査しました。3ケ所とも食草の「コマツナギ」も健在で「ミヤマシジミ」も元気に飛んでいました。多数とは言えない数です。堤防、河川敷きの適度な草刈が今後の課題との意見が出ていました。






 アサギマダラ観察会 

2014年10月26日、菊川市潮海寺町の「アサギマダラの里」で観察会を行い、同好会員や地元の親子連れなど40名ほどの参加者がありました。アサギマダラの生態とマーキングの方法について説明しあと、フジバカマに集まるアサギマダラに「キク川」の共通のマークと個人記号などを記入して放しました。当日マークできたのは10頭程度でしたが、これからも地元の皆さんでマーキングを続けてくださるとのことです。終了後、同好会員は、カバマダラやクロマダラソテツシジミなどの生息状況の調査などにでかけました。